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映画『トム・アット・ザ・ファーム』ネタバレあらすじ : 死んだ恋人とその兄、そしてトム。

「僕たちは、愛し方を学ぶ前に、嘘のつき方を覚えた。息の詰まるような愛のサイコサスペンス。」と謳うのはグザヴィエ・ドランが監督、主演を務めたトム・アット・ザ・ファーム。『マイマザー』で初監督作品にして注目を浴びたドランが23歳の、2013年に手掛けた作品で、第70回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、国際映画批評家連盟賞を受賞しました。

ドランの生まれたカナダのケベック州モントリオールはフランス語圏で、終始彼らのなめらかかつ暴力的なフランス語で物語は進んでいきます。

 

この作品に触れる上でまず知っておかなければいけないのは、ドラン自身が同性愛者であり、それをカミングアウトしているということです。恋人(男性)を亡くしたゲイのトム(男性)を、俳優の息子で子役出身のドラン本人が熱演しています.

 

まずはあらすじから

トム(ドラン)はパートナーのギヨーム(男性)が交通事故で亡くなったと聞き、葬儀に参列するためまだ一度も行ったことのなかった彼の田舎の実家へ向かいます。

しかし彼の母アガットはトムを親友だと思い込み、代わりに恋人のサラ(女性)(恋人のていだった)がどうして葬儀に来ないのかと憤慨し嘆きます。

自分の存在への疑問と居心地の悪さに耐え兼ね帰ろうとするトムを、全てを知るギヨームの兄フランシスが脅しとどまらせるのです。

トウモロコシ畑でフランシスやアガットと過ごすうちに、トムは一家が田舎町で孤立していることに気づきます。

フランシスはトムに当たり暴力をふるいますが、トムは逃げ出さないのでした。

 

この映画で印象的なこと

この映画で印象的なのは、最初から終わりまでずっとじめじめした空気が途切れないことです。

従来のドランの作品はもっと色彩が鮮やかでポップなのに対し、ぐずぐずした天気や照明の落とされたギヨームの家が物語の陰鬱な空気を助長しています。

そしてもう1つ大事なことは、ギヨームは出てこないということ。

初めて顔を合わせる遺された者たちによって浮き彫りになるギヨーム像に注目せざるを得ません。

フランシスはトムに初めから高圧的に接しますが、見どころは彼らの関係の変化です。

葬儀の友人代表の挨拶に失敗したトムを責め立て、脅し、殴ったかと思いきや、トウモロコシ畑は危険だと忠告したり、一緒にタンゴを踊ったり。

そんな不安定なフランシスにトムの感覚も狂い始め、フランシスには俺が必要と言い出したり、首を絞められればもっと強くとせがんだりします。

不穏な空気だからこそ、こういった変化がより奇妙で滑稽に、そして鮮やかに映るのです。

 

この作品の残酷なところ

この作品の残酷なところは、ギヨームは二重に差別をされていたと読み取れるところです。

偏見や差別が停滞しがちな小さな田舎の農村でギヨームはゲイだという噂が流れ、その噂によって死んでも悲しまれない。

葬式に包まれるはずの悲しみの空気はなく、終始不穏なまま神父の声が響く。

そして、恋人サラに執着する母アガット。

住んでいた町にも実の母親にも受け入れられず、認められなかったセクシュアリティはギヨームの自尊心を次第に蝕んでいったことでしょう。

ギヨームの死因について濁した表現が使われたのは、そういった背景から自殺してしまった可能性を孕むからだと思います。こういったギヨームの苦しみを、ゲイのドランはどう考えながら撮影していたのでしょうか。

彼の実体験を作品に昇華したのでしょうか。

途中、農場でトムがフランシスにひどく殴られるシーンがあります。

この作品に限らず、ドランが撮った他の映画には必ず殴られるシーンが入っているのですが、彼はその理由について、昔同性愛者であるがゆえにいじめられた経験があるからだと語っています。

 

愛のサイコサスペンスというキャッチフレーズは、はたして適切なのでしょうか。

確かにフランシスは恐ろしく、ギヨームをゲイであることを理由に侮辱した男の口が裂けるほどの暴力を振るいました。

しかし、私にはフランシスが本当にサイコだとはどうしても思えませんでした。そのくらいフランシスは人間的でした。

侮辱された弟をかばい、母親を悲しませないために嘘をつき、トムへ依存していく。

そうすることでしか彼は家族を守れなかったし、自分も守れなかったのだと思います。

トムがフランシスに恐ろしさを覚えながらもギヨームの面影を感じ惹かれるのと同じ強さで、おそらくフランシスもトムに惹かれていました。

しかし、弟は死に母は悲しみにくれている。

長男である責任感と自分も逃げ出したいという行き場のない葛藤からか、どうしても暴力をふるってしまうのでした。

ドランが描きたかったのは、いびつな「愛」、多様な「愛」の形だったのではないでしょうか。

フランシスのいる「ファーム」から逃げ出したトムは、立ち寄ったお店で口が裂けた男を見かけます。

フランシスの被害者に違いないとこわばった表情が映りラストになりますが、トムは本当にそのまま逃げ続けるのでしょうか。

私は「ファーム」に戻ってしまうのではないかと思います。

それが、最終的な「トムアットザファーム」の意味だと思います。

フランシスの暴力や恐怖を超える依存、支配、洗脳、尊敬、同情、そして大きくいびつな愛がこの映画には隠れていると思います。普段ドランは黒髪なのをみなさんご存知ですか。

曇り空、頼りなく茂る緑の草々、そこに照り映える彼のブロンドヘア。

髪の色を変えたのは、なんとなくではないはず。

トムだけがフランシスの希望だった、画面の中でただひとつ映える彼の髪は、そういったトムの存在の比喩だったのではないでしょうか。

息の詰まるような愛を、感じずにいられません。

 

映画を締めくくる音楽はルーファス・ウェインライトのGoing To A Townです。

ルーファスも10代の頃ゲイとカミングアウトしています。

何度も唱えられるアメリカにはうんざりだという歌詞が、フランシスとアメリカを重ねているのではと考える人も多いとは思いますが、もっと広い意味でフランシスだけでなく同性愛者への差別やギヨームのいない苦しみ、今の生活全てにうんざりし、そしてかつ行き場がないというトムの叫びにも聞こえます。

この一曲が最後に解釈の幅を広げ、映画の世界を更に面白くしたことは言うまでもありません。

 

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